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越境ECの立ち上げ・拡大を加速させる「補助金」活用について

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越境ECへの参入は、市場規模の拡大や円安の追い風もあり、多くの事業者にとって魅力的な選択肢です。しかし、サイト構築や海外向けマーケティングには多額の初期投資が伴います。
そこで活用したいのが国の補助金です。本記事では、越境ECで活用できる主要な補助金の比較から、採択率を高めるポイント、注意すべきキャッシュフローの罠まで、実務目線で詳しく解説します。

越境ECの立ち上げ・拡大に補助金活用が注目される背景

現在、日本政府は中小企業の輸出拡大を強力に後押ししています。その背景には、以下の2点があります。

単なる資金援助としてだけでなく、国の支援を受けて事業をグローバル化させるという攻めの姿勢が、今のビジネスシーンでは求められています。

【比較表】越境ECに活用できる主な補助金・助成金一覧

越境ECに使える補助金は複数ありますが、事業規模や目的によって適したものは異なります。

補助金名 特徴 補助金上限と補助率 直近採択率 越境ECでの主な用途
デジタル化・AI導入
補助金2026
ITツール(SaaS)利用料を最大2年分補助し、バックオフィス業務を効率化 450万円
(1/2〜2/3)
約40% 多言語決済システム、在庫一元管理、AIチャットボット導入
小規模事業者持続化
補助金
販路開拓全般(広告・サイト・旅費等)を少額から幅広く支援 50万円〜250万円
(2/3〜3/4)
約40% 海外SNS広告、商品翻訳、サイト構築(補助額の1/4迄)
中小企業新事業進出
補助金
1,500万円以上の投資を伴う大規模な新市場進出・事業転換を支援 2,500万円〜9,000万円
(1/2)
約35% 海外向け大規模システム構築、新市場開拓用プロモーション費
ものづくり補助金
(グローバル市場
開拓枠-
JAPANブランド類型)
海外市場向けのブランディング、商品改良、プロモーションに特化 3,000万円
(中小 1/2 、
小規模2/3)
約20% 海外PR動画制作、商品ローカライズ、展示会・ポップアップ設営
ものづくり補助金
(グローバル市場
開拓枠-
その他の類型)
海外展開に伴う革新的なシステム開発・設備投資。旅費や輸送費も対象 独自のプラットフォーム開発、海外展示会出展、海外出張旅費

申請前に確認必須!補助対象となる経費・ならない経費

補助金が出るから安心だと発注した後に、対象外だと発覚するケースは少なくありません。特に越境EC特有の経費については注意が必要です。

補助対象になりやすいもの

システム、ソフトウェア導入費

ECサイト構築費、改修費(制度による制限あり)

広告宣伝、マーケティング費

ローカライズ・専門家経費

補助対象にならない(または注意が必要な)もの

採択率を高める事業計画書作成のポイント

補助金の審査員はこの事業に将来性があるかを見ています。以下を意識して計画書を作成しましょう。

1. HowではなくWhyを示す

単に「ECサイトを作りたい」「売上を伸ばしたい」という内容では不採択になる可能性が高くなります。ECサイト構築はあくまで「手段」であるため、「なぜ今、海外展開が必要なのか」「どのように商品を販売していくのか」「どのような成果を目指すか」という一貫した戦略を論理的に説明する必要があります。

2. 客観的なデータ(市場調査・競合分析)を使う

事業の必要性や説得力を裏付けるために、ターゲット層の明確化、市場環境の調査、競合との違い(自社の強み)などをデータ化して詳細に示すことが重要です。

3. 具体的な数値目標(KPI)とスケジュールを設定する

「3年後に売上◯%増加」といった制度の要件に沿った具体的な成果目標(収益予測)をデータで示します。また、事業の開始から終了までの実施スケジュールを明記し、3か月以内に達成すべきマイルストーンなどを設定して、計画の実現可能性(無理のない計画であること)をアピールします。

4. 妥当な費用計画とリスク対策

補助金の上限額などを考慮した現実的な費用設定を行います。さらに、トラブル発生時の対応方法など「リスクと対策」についても記載しておくことで、計画の堅牢性を示すことができます。

5. 専門家の支援を活用する

補助金によっては商工会議所や認定経営革新等支援機関などのサポートが必須な場合もありますが、そうでない場合でも、専門家の客観的なチェックを受けることで計画書の質が上がり、採択率が向上するケースが多くあります。計画の骨子づくりの段階から専門家に相談しておくことが推奨されています。

審査員の視点:補助金がなければできない事業ではなく、補助金があれば加速し、自走できるようになる事業を評価します。

補助金申請から受給までの一般的な流れ

補助金申請から受給までの一般的な流れ

補助金は採択されたらすぐにお金がもらえるわけではありません。後払い(精算払い)であることを前提にした資金繰りが重要です。

1. 公募・申請

公募期間内に、電子申請システム等を通じて必要書類を提出します。

2. 採択発表

提出された事業計画書等をもとに審査が行われます。審査を通過し、補助金の対象として選ばれることを「採択」と呼びます。採択率は制度や公募回によって変動し、必ずしも全員が受給できるわけではありません。

3. 交付申請と交付決定

採択された後、経費の明細などを正式に交付申請し、事務局から「交付決定」を受けます。原則として、この「交付決定」を受けた後に発注・契約・支払いを行わなければなりません。交付決定前に着手してしまった経費は原則として補助対象外になります。

4. 事業実施

交付決定後に、実際にECサイトの構築や設備の導入を進め、業者に対して自社で費用の全額を支払います。補助金は事後精算のため、入金されるまでの間の資金繰り計画が必須です。また、支払いを証明する見積書、発注書、請求書、領収書などは後で提出するため、確実に保管しておきます。

5. 実績報告

事業が完了したら、実施内容や経費の支払いを証明する書類をまとめ、「実績報告書」として事務局へ提出します。

6. 確定検査・補助金の交付

提出した報告書や証拠書類を事務局が検査し、書類に不備がなければ補助金額が確定します。不備があれば差し戻されて修正を行うため、実績報告から実際の入金までに1ヶ月〜数ヶ月程度かかる場合があります。検査完了後、指定口座に補助金が振り込まれます。

7. 事業実施後の効果報告(制度による)

補助金を受け取った後も、事業化の状況や売上、賃上げの状況などについて、数年間(3〜5年程度)にわたり定期的な報告(フォローアップ報告)が義務付けられている補助金が多くあります。報告を怠ると補助金の返還を求められるリスクもあるため、採択後も一貫した管理体制が必要です。

注意点:申請から入金まで1年以上かかることも珍しくありません。一時的に全額を立て替える必要があるため、必要に応じてつなぎ融資の検討もセットで行いましょう。

申請前に確認すべきこと

越境ECに活用できる補助金は複数ありますが、すべての事業者や取り組みが対象になるわけではありません。申請を準備する前に、自社が要件を満たしているか、予定している取り組みや経費が補助対象に含まれるかを確認しておくことが重要です。

補助金は、申請すれば必ず受給できるものではありません。申請後の手戻りや不採択を防ぐためにも、公募要領を読み込み、対象事業者・対象経費・申請期間などを一つずつ確認しましょう。

自社が補助金の対象事業者に該当するか確認する

補助金ごとに、対象となる事業者の規模や業種、所在地などが定められています。中小企業や小規模事業者であっても、従業員数や資本金、法人・個人事業主の区分によって要件が異なる場合があります。

自社が対象事業者に該当するかを、申請前に必ず確認しましょう。対象外の制度に準備を進めると、時間や費用が無駄になる可能性があります。

越境EC事業が補助対象になるか確認する

越境ECに取り組むからといって、サイト制作や広告出稿がすべて補助対象になるとは限りません。販路開拓、生産性向上、新市場への進出など、補助金が定める事業目的との一致が求められます。

「海外向けECサイトを作る」という説明だけでなく、どの国や地域を対象に、どのような商品を、どのような方法で販売するのかを整理しましょう。事業の必要性や実現可能性まで説明できる計画が必要です。

申請内容と補助対象経費が一致しているか確認する

補助金の対象経費は、制度ごとに細かく定められています。同じECサイト制作費や広告費であっても、補助金の種類や申請枠によって対象となる範囲が異なる場合があります。

申請書に記載した取り組みと、見積書に記載された経費の内容が一致しているか確認しましょう。申請書に記載していない経費は、後から対象にできない場合があります

交付決定前に発注や契約をしていないか確認する

多くの補助金では、事務局から交付決定を受けた後に、発注・契約・購入・支払いを行うことが原則です。採択された後であっても、交付決定前に事業へ着手すると、対象経費として認められない可能性があります。

制作会社やシステム会社への依頼を急ぐ場合でも、発注や契約のタイミングには注意が必要です。申請前に見積もりを取得することはできても、実際の契約や着手は公募要領の定めに従いましょう。

申請に必要な書類を準備できるか確認する

補助金の申請では、事業計画書のほか、決算書や確定申告書、見積書、会社情報に関する書類などが求められることがあります。制度によっては、商工会議所や金融機関などへの相談が必要な場合もあります。

書類の取得や作成には時間がかかるため、募集開始後に準備を始めると締切に間に合わないことがあります。必要書類と提出期限を早めに一覧化しておくと、申請準備を進めやすくなります。

補助金が入金されるまでの資金を確保する

補助金は、事業にかかった費用を先に支払い、実績報告や確定検査を終えた後に入金される「後払い」が基本です。補助率が高い場合でも、事業費の全額を一時的に立て替える必要があります。

サイト構築費や広告費などの支払いが重なると、想定以上に資金が必要になることがあります。申請前に支払い時期と必要額を確認し、必要に応じて金融機関へつなぎ資金について相談しておきましょう。

最新の公募要領や申請スケジュールを確認する

補助金の対象経費、補助率、上限額、募集期間、申請方法は、公募回や年度によって変更されることがあります。過去に採択された事例や前年の情報だけを参考にすると、現在の要件と合わなくなる可能性があります。

申請時には、必ず各補助金の公式サイトに掲載された最新の公募要領を確認しましょう。特に申請締切、事業実施期間、交付決定前の着手可否は、計画に大きく影響するため注意が必要です。

補助金を使う際の注意点

補助金は、事業に必要な費用の一部を支援してもらえる制度です。ただし、採択された金額がそのまま入金されるわけではなく、定められたルールに沿って事業を実施し、実績を報告する必要があります。

補助金は「もらえるお金」ではなく、計画的に活用・管理する制度と考えることが大切です。申請前から事業終了後まで、経費や書類を適切に管理しましょう。

補助金は後払いが基本である

補助金は、交付決定後に事業を実施し、事業完了後の実績報告や検査を経てから支払われるのが一般的です。申請時点や採択時点で、補助金がすぐに入金されるわけではありません。

補助対象となる経費であっても、いったん自社で全額を支払う必要があります。補助金の入金時期を考慮せずに計画を立てると、事業の途中で資金が不足するおそれがあります。

補助対象経費の証拠書類を保管する

補助金を受給するには、実際に事業を実施し、費用を支払ったことを証明する書類が必要です。見積書、発注書、契約書、納品書、請求書、領収書、振込記録などを、事業の流れに沿って保管しましょう。

書類に不備がある場合や、支払いの事実を確認できない場合は、補助対象から外れる可能性があります。補助事業専用のフォルダを作り、書類を受け取るたびに保存すると管理しやすくなります。

事業計画を変更する場合は事前に相談する

補助金は、申請して交付決定を受けた事業計画に基づいて実施します。途中で導入するシステムや依頼先、経費の配分、事業内容などを変更する場合、事前の承認や事務局への相談が必要になることがあります。

自己判断で変更して事業を進めると、変更した部分が補助対象外になる可能性があります。計画と異なる対応が必要になった場合は、発注や契約を行う前に、補助金事務局や支援機関へ確認しましょう。

補助事業終了後の効果報告にも対応する

補助金によっては、事業終了後に売上や販路開拓の状況、生産性向上の効果などを報告する必要があります。補助金を受け取った後も、一定期間にわたって報告が求められる制度があります。

申請時に設定した目標やKPIは、採択後も確認できるように管理しておきましょう。売上やアクセス数、海外からの受注件数など、事業内容に合った指標を継続的に記録することが大切です。

要件を満たせない場合は補助金返還の可能性がある

補助金を受給した後であっても、実績報告の内容に不備がある場合や、補助対象外の経費が含まれている場合には、補助金の減額や返還を求められる可能性があります。

また、制度で定められた報告を行わなかった場合や、事業計画と大きく異なる運用をした場合も注意が必要です。補助金の交付決定通知や公募要領を保管し、受給後の義務まで確認しておきましょう。

補助金ありきではなく継続可能な事業計画を立てる

補助金を活用すると初期費用を抑えられますが、翻訳、カスタマーサポート、海外配送、広告運用などの費用が継続的に発生する場合があります。補助対象外となる運用費も含めて、事業全体の収支を考える必要があります。

補助金がなくても継続できる運用体制と収支計画を整えておくことで、補助事業の終了後も越境ECを続けやすくなります。補助金は、事業を始める目的ではなく、海外展開を軌道に乗せるための手段として活用しましょう。

まとめ:あなたの事業に適した補助金選びを

越境ECは、正しい補助金選びと確かな事業計画があれば、リスクを抑えて大きく飛躍できるチャンスです。まずはどの経費に一番お金がかかるのかを整理し、それに合致する制度を選びましょう。

越境ECの3つの始め方をわかりやすく比較
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ECモールへの
出店
越境ECサイト
を構築
購入代行モール型 購入代行自社サイト型
導入のしやすさ ECモールに
出店準備が必要
立ち上げに
多大な時間が必要
国内ECに
タグ1行追加のみ
国内ECに
タグ1行追加のみ
運用のしやすさ 海外向け
オペレーションを
整える必要あり
海外向け
オペレーションを
整える必要あり
海外向け
オペレーションを
整える必要なし
海外向け
オペレーションを
整える必要なし
導入コスト 異なる言語で
出店準備が必要
多大な
構築コストが必要
国内ECの活用で
コストを抑えられる
国内ECの活用で
コストを抑えられる
運用コスト 多言語CSや
海外発送など
自社で行う必要
多言語CSや
海外発送など
自社で行う必要
多言語CSや
海外発送など
対応不要
多言語CSや
海外発送など
対応不要
戦略の自由さ ECモールの
ルールに従う必要
自社ECサイトなので
自由に行える
自社ECサイトなので
自由に行える
自社ECサイトなので
自由に行える
ブランディング ブランドイメージの
確立が難しい
自社ECサイトなので
ブランドを
自由に表現できる
モールに遷移する
のでブランド体験が
途切れる
自社ECサイトなので
ブランドを
自由に表現できる
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